
英米の消費者の約20%「培養肉を食べてみたい」
世界中のスタートアップ企業が細胞を使ったシーフード・ビーフ・チキンなどの開発に力を入れています。
Quoted from “Plant Based News”
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かつてはサイエンスフィクションに過ぎなかった培養肉は、一般的な消費者から反対されていました。しかしその態度が変わりつつあります。ピプルセイ(Piplsay)社の最近の調査によると、アメリカとイギリスの消費者の約20%が培養肉を「試してみたい」と思っていることがわかりました。培養肉は細胞ベースの肉、実験室で育てられたラボ肉は、クリーンミートとも呼ばれています。
調査について
ピプルセイは31,340人のアメリカ人と9,166人のイギリス人に対し、細胞由来の肉に対しての調査を行いました。その結果、アメリカ人の19%、イギリス人の18%が「ぜひ食べてみたい」と答えました。
さらに他の調査では、さらに高い比率が予測されています。2018年に行われた調査では、66%のアメリカ人が培養肉を試すとしています。
培養肉の進歩
オランダの科学者マーク・ポスト(Mark Post)氏は、2013年の記者会見で、世界初の細胞を使ったビーフバーガーを発表しました。このバーガーの価格は、なんと約28万ドル(約3千万円)でした。
その理由について、ポスト氏が共同設立したフードテック企業「モサ・ミート」(Mosa Meat)の広報担当者はロイター通信へこう語りました。
「このハンバーガーが2013年の時点でこれほど高価だったのは、当時は斬新な科学で非常に小さな規模で生産していたためです。生産規模が拡大すれば、ハンバーガーの生産コストは9ユーロ(約1200円)程度になると予測しています。」
さらに培養肉は、最終的に従来の肉よりも安くなる可能性があるとも述べています。
また培養肉業界を牽引しているのは、モサ・ミートだけではありません。
細胞培養の会社であるワイルドタイプ(Wildtype)社は、無屠殺のサーモンで「シーフードを再発明する」とコメントしています。
シンガポールのシオック・ミーツ(Shiok Meats)社は、細胞培養によるエビやカニ、ロブスターを製造しています。
イスラエルの食品技術会社アレフ・ファーム(Aleph Farms)社はビーフステーキを、香港のアヴァント・ミーツ(Avant Meats)社は持続可能な魚を育て、メンフィス・ミーツ(Memphis Meats)社は細胞を使ったチキンやミートボール、鴨肉を開発しています。
テクノロジーはそれだけにとどまりません。イスラエルの新興企業レミルク(Remilk)社は牛を使わずに乳製品を生産しています。またデラウェア州のビコーズ・アニマル(Because Animals社)は、細胞由来の肉を使ったペットフードを開発した最初のブランドです。
鶏肉・牛肉・豚肉の世界第2位の加工業者であるタイソンフーズ(Tyson Foods)は細胞培養肉の新企業、フューチャー・ミート・テクノロジーズ(Future Meat Technologies)社やメンフィス・ミーツ(Memphis Meats)社に投資しています。